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SFの中のロボットたち(4)

■SFの中のロボット~ロボット前史

 “ロボット”という言葉は、チャペックが作ったと述べましたが、チャペックがロボットという言葉を作り出す前にも、今で言うロボットのような存在が描かれていました。

 紀元前8世紀、ホメロスの叙事詩『イーリアス』では、オリンポスの鍛冶屋ヘパイトスが侍女として「黄金の美女」を作ったと書かれています。ギリシャ神話(『アルゴ探検船』)には、イカロスの父ダイダロスがミノス王のために「青銅人間タロス(あるいはターロス)」を作り宝の番人にした話があります。紀元前2世紀の末頃に書かれたヘロンの『自動機構論』には、空気圧を利用してお酌をする人型の自動機械が記されています。
 日本では、12世紀に西行がまとめた仏教説話集『撰集抄』にも人間そっくりのロボットが登場します。こちらは機械ではなく死んだ人間の骨から人体を作り出す話です。
 16世紀ごろ明代の中国で成立した娯楽小説『封神演義』には、仙人たちに使役される黄巾力士というアンドロイドが登場します。

 実際に作られた世界初のロボットは、9世紀初頭のイスラム圏であったといわれています。(バリ・ハッサン兄弟の『自動人形論』)日本では17世紀の大阪道頓堀にからくり人形の芝居小屋「竹田屋」が作られています。18世紀にはヨーロッパで自動人形(オートマトン)のブームがありました。

 チャペック以前の小説では、1818年にメアリー・シェリーが匿名で出版した『フランケンシュタイン、すなわち現代のプロメシュース』が有名です。この小説に登場するクリーチャー(怪物)は死体をつなぎ合わせ電流を流すことで再生します。現代の基準から言えば、いわゆる「フランケンシュタインの怪物」はロボットの範疇からは逸脱しているかもしれませんが、ロボットに強い影響を与えていることは確かです。
 なぜなら、その後に執筆されるロボット小説(チャペックの『R.U.R』を含めて)の中でロボットを未知なる物として恐怖の対象にする、あるいはロボットに対する人間の恐怖というものが多く描かれているからです。
 特にキリスト教圏では、フランケンシュタイン博士のように神に変わって生命を創造してしまうことへの憧れと罪悪感、天罰への恐れといったものをアイザック・アシモフは“フランケンシュタイン・コンプレックス”と名付け、小説の中でロボット三原則が生まれた理由としています。

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