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日本語の難しさ

 またもや他人のブログ炎上話で申し訳ないのだが、

花岡信昭ウェブサイト

のコメント欄が百花繚乱である。
そもそもの始まりは、

「モーニング娘。」が日本語を壊した

というエントリーが火元。

このエントリー、SAFTY JAPANのコラムとしてもメルマガで発信されているから、かなり多くの人間の目に留まったであろうことは想像に難くない。その中には、相当数の「モーニング娘。」ファンがいることもまた。
 という訳で、コメント欄炎上である。なにしろ、モーニング娘。を評して、『歌は下手でダンスもまずくエンターテインメントの域には達していない』などど書いてしまったものだから、ファンが反発するのは当たり前だろう。コメント欄を見ると、比較的冷静な反論から誹謗中傷の類まで様々、同じファンでも幅広いものだな。
 現時点で、該当エントリーからモーニング娘。を非難(?)した部分は削除されている。まぁ、後日書かれた謝罪が掲載されているエントリーで、同じ文を書いてしまっているので意味はないが。

「モーニング娘。」に関する記述について

 そもそも、非難されたからと言って削除してしまうのはどうかと思う。花岡氏に限らず「該当部分を削除して謝罪」というケースはまま見られるが、削除したとしてもどこかのキャッシュに残っている可能性や誰かが保存している可能性だってある。やるなら、該当部分の直下に注釈を追記して、その中で謝罪すればいいと思うのだが。花岡氏は元々産経新聞の記者だったのだから、「一度出した記事は引っ込みが付かない」くらいのことに気が付きそうなものだが。さらに言えば、事態をあまり深刻には受け止められていない様子。

我々の国家はどこに向かっているのか(第11回)ブログ再炎上、きっかけはアイドル名と句点

 SAFTY JAPANだけに、ブログ炎上の危機管理について花岡氏にアドバイスしているんだろうか?

 それはともかく、花岡氏のコラムは、最初から「モーニング娘。」を誹謗するためのものではなくて、そもそもの始まりは日本語の使い方の話。最初はみずほ銀行がページをジャンプさせるのに使っている『遷移』という言葉が聞きなれない(!)というところから、カギ括弧の中に句点を入れるかという話に、そしてモーニング娘。の話になる。句点の使い方からモーニング娘。の話に持っていくのは、強引というか論点がずれている気がする。モーニング娘。の句点はナインティナインの岡村がカンペをそのまま読んだことから付いたという話はファンじゃない私でも知っている話だ(つまり偶然から生まれたわけだ)し、文中で使うケースと芸名で使うケースを一緒にするのも間違っている。それなら「藤岡弘、」(こっちは読点だけど)もおかしいことになる。私も「~。」という使い方はしないけれど、逆に商標や製品名は正確に書くという点には注意を払っている。

 花岡氏のコラムを読んでいると、どうも『新聞至上主義』が鼻に付く感がある。新聞で使っていないから~とか、新聞では見たことがないとか。実際、句読点とか3点リーダと中黒とか、各出版社で用法や用語が違ったりするのは当然で、もっと言えば、言語は変化するものだから誰かが「これしか認めない」とか「近頃の日本語の乱れは~」などというのは、まったく的外れな話だと思う。ちなみに、技術評論社では、句読点は「,」と「.」で、インプレスでは「圧縮・解凍」ではなく「圧縮・展開」を使う。

 例えば、「的」は「得る」じゃなくて「射る」だ、というような間違いは、誤字脱字レベルかなとも思う。ただ、語源というか元の意味から考えて間違っている、と言ってしまうと、「他力本願」なんて元の意味とは正反対に使われている言葉もあるしね、難しいとは思う。
 ただ、花岡氏も自分の経験・知識の中から、「これは違うんじゃないか?」と思うことを書いただけなのだろうとは思う。……のだけれど。モーニング娘。を持ってきたのはまずかったな。

 花岡氏はエントリーの中で、

『考えてみれば、「モーニング娘。」が、いけないのだ。名前に「。」をつけたことがきわめて効果的に作用したように思える。』

と書いているが、句読点の多用はそれ以前からある。糸井重里氏が西武のキャッチコピーで句読点を使うようになってからじゃないだろうか。もう20年くらい前になるが、デザイン専門誌(仕事の関係でそんなものも読んでいた)に、「キャッチコピーに句読点を使うのは、安易な逃げだ」という評論が掲載されていて、納得したものだった。確かに、句読点は目を引く。文の区切りを表すのだから、目を引かなくちゃ困るし、そう刷り込まれているのだし。もしかしたら、英語の読み書きが苦手なのはカンマとピリオドが句読点よりも目立たないからかもしれない。(絶対違うw)

 個人的に気になるのは、『遷移』の方だ。エントリーでは

『30数年、新聞社にいて、筆者が一回も使ったことのない言葉である』

と書いている。花岡氏は「遷移」を使わないらしい。(Googleを『遷移』で検索すると約 1,910,000 件がヒットする)

 しかし、最初に月に不時着したアルコン船は、光速を超えるのに遷移技術しかなかったし、初期の太陽系帝国の船はみんな遷移技術しかなかった。遷移に伴う衝撃を克服するのも大変だったのだ。今は半空間ゾーンを利用するリニア航法があるから、遷移ショックも感じないで済むが。これもカルプ・コンバーターのお陰……って、ペリー・ローダンの話なのだが。

 思うに、みずほ銀行の担当者は、マルペなのだよ。だから、遷移という言葉にも抵抗がないのだ。花岡氏も、ペリー・ローダン・シリーズを読むといいぞー。いや、冗談でもなんでもなく、出版の中でも新聞しか知らないと言う、狭量な視野をもっと広げるべきだとご忠告申し上げたい。私のような若輩者から言われたくないだろうけれど。

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コメント

「遷移」そうですねぇ。理系人間には普通の言葉なので(状態の遷移とか電子とか生態系とか)みずほの担当氏もべつにマルペである必要もないのではないかと(笑
ただまぁWEBの専門家ではなさそうってのはありますね。

誤字といえば、糸井茂里じゃなくて重里ですね。
同年代なので親が「ジュリー」をイメージして付けたってのが良くわかる名前です :-)
友達にもこの種の命名規則族が多いです(笑

>誤字といえば、糸井茂里じゃなくて重里ですね。

ご指摘感謝。修正したっす。
いやぁ、チェックしようと思って忘れてアップしてしまいました。

実は5日のエントリーで、タイトルに意識して句読点を使っていたのは、このエントリーの予告だったりなかったり。

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花岡信昭氏は謝罪の翌日に日経BP社のサイトではブログ炎上の被害者であるかのようなコラムを発表した(花岡信昭「ブログ再炎上、きっかけはアイドル名と句点」日経BP社SAFETY JAPAN 2006年6月6日)。加害者なのに日経のコラムでは被害者面をしている。「ネットの連中は常識をわきまえない」と好き勝手なことを述べる。批判を許さない連中のような印象操作をしている。日本語の乱れとモーニング娘。の歌が下手ということの因果関係についてのクレームも無視する。 記事中には「ナイーブなネット社会の人々」との見出... [続きを読む]

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