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マスコミの世論操作とネット

 戦前は、新聞・ラジオ、戦後は新聞からテレビへと軸足を移しつつも、つい最近までマスコミは世論を操作してきたと言える。靖国参拝だってそうだ。マスコミが煽って大事にしようとしているが、本当に一般の人は靖国参拝よりももっと気になることがあるんじゃないか?だいたい元を正せば靖国問題だって、朝日新聞が火をつけたことが原因。

 1985年の中曽根総理の公式参拝の前日に「中国が厳しい視線で凝視している」と記事を書いた。それを受けて、中国の人民日報が靖国参拝を報道し、さらにその報道を受けて朝日新聞が「アジアから批判を受けている」と報道する。朝日のマッチポンプ体質は、「サンゴ落書き」事件よりも前からあったのだ。今では、自分たちが書いた記事が元になっているなどとはおくびにも出さず、

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大きな国際問題になったのは、戦後40年の85年。中曽根康弘首相(当時)が8月15日の終戦記念日に初めて公式参拝したことを受け、中国、韓国を始めとするアジア諸国から「侵略戦争を正当化している」という激しい批判が起こった。とりわけ、中国はA級戦犯の合祀を問題視した。結局、中曽根氏は関係悪化を防ぐために1回で参拝を打ち切った。だが、A級戦犯の合祀問題はその後も日中間を中心に続いている。(7/20付け 朝日新聞の記事より)
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なんて書いている。

 個人的には靖国参拝なんて、どーでもいい。行きたい人は行けばいいし、行きたくないならいかなきゃいい。政教分離というけれど、参拝がダメなら冠婚葬祭だってだめだろ。公明党だっていかんだろ。なぜマスコミがそのあたりをスルーするのか。ジャーナリスト宣言したなら、ちゃんと報道してくれよ。A級、A級というが、ABC級は東京裁判での犯罪内容のカテゴリに過ぎないし、A級戦犯とされた人々も命で償っている。普通の犯罪者は、刑期を勤め上げれば過去の罪は問われないのに、なぜA級戦犯だけクローズアップするのか?犯罪者だって、出所すれば社会復帰する。それに対する差別は批判するマスコミなのに、A級戦犯に限っては償った後も責めるのは差別じゃないのか?マスコミお得意のダブルスタンダードと思うのは私だけだろうか?それに、中国・韓国の言ってることは内政干渉、唯々諾々と従うのは主権国家としてどうなのよ?という気持ちもある。

 おっと、横道にそれた。
 で、世論操作を続けてきたマスコミだが、インターネットの登場によって雲行きが変わってきた。マスコミがついてきた嘘、あるいはあえて報道しなかった部分が、ネットによって知ることができるようになったからだ。今までもこのBlogでいくつか例を挙げて紹介しているが、新しいものも付け加えておこう。

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次期首相の参拝44%反対 靖国で世論調査(東京新聞)

 小泉純一郎首相が終戦記念日の15日に靖国神社を参拝したことを受け、共同通信社は15日午後から16日にかけて全国緊急電話世論調査を実施した。首相の「8・15参拝」について「参拝してよかった」との回答が51・5%で半数を超えたが、次期首相に関しては「参拝すべきではない」が44・9%、「参拝すべきだ」が39・6%で反対派が上回った。同神社に合祀(ごうし)されている第2次世界大戦のA級戦犯については「分祀(ぶんし)した方がよい」が60・4%に上った。

 次期首相の最有力候補である安倍晋三官房長官が4月に靖国神社に参拝したが、その事実を認めず、今後参拝しても公表しないとしていることに対しては「公表する必要がある」が37・8%に対し、「公表する必要はない」30・3%で、説明責任を果たすよう求める声が上回った。
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 共同通信が8/16に配信した記事だが、タイトルと中身の差に注目して欲しい。タイトルでは、「44%の国民は、次期首相に参拝して欲しくない」と読める。では、中身はどうか。確かに「参拝すべきではない」が44.9%なのでタイトルは間違っていない。でも、「参拝すべき」としている人との差は5.3%しかないうえ、残りの15.5%については何も書かれていない。どんな設問だったのだろう?「参拝すべき」と「すべきではない」の2択だったとすれば、アンケートとして成り立たないし、残りの設問内容を公表しないのはフェアじゃない。

 さらに、小泉首相の参拝について51.5%の人が「よかった」と答えていることも、さらっと流している。もしタイトルが「小泉首相の参拝に半数以上が賛成」だったら、受ける印象が180度違っていただろう。つまり、マスコミ側が意図的に受け手の印象を操作しているということ。

 では、他紙はどうなっているか並べてみよう。

首相靖国参拝:評価50%、批判46% 本社全国世論調査(MSN毎日インタラクティブ)

首相の靖国参拝、「支持」53%…読売調査(読売新聞)

 また、ネット上のソースは無いが、NHKの「日本の、これから」という番組で8/15に放送した「アジアの中の日本」という番組内で行ったアンケートでは、賛成が63%、反対が37%という結果が出ていた。これらの結果を見ると、「世論の半数以上は、小泉首相の靖国参拝に賛成している」と読める。そう読むのが普通だろう。
 だが、朝日新聞は8/16付けの社説でこんな風に書いている。

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靖国参拝 耳をふさぎ、目を閉ざし

朝日新聞の7月の世論調査では、参拝反対が57%で、賛成の2倍に達した。新聞も大半の全国紙、地方紙が反対の立場だ。
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 参拝後の世論調査では都合が悪いので、7月の調査結果を持ち出している。その変化を見るには興味深い数値だが、現状を反映していないことを知りながらあたかも世論の半数以上が反対しているかのように書くというのは、正しいジャーナリズムのあり方なのだろうか?さらに付け加えるなら、「大半の全国紙、地方紙が反対」だったら、民衆はそれに従わなければいけないとでもいうのだろうか?マスコミは反対で世論は賛成なら、そのギャップはどこにあるのかを探るのがジャーナリズムではないのか?

 再三の繰り返しになるが、昔はこうした手法が通用したかもしれない。しかし、インターネットが普及した今、こうした手法は逆にマスコミの信頼性を失わせることとになるだけだ。マスコミは、そのことに気づいているのだろうか?残念ながら、マスコミは悪しき慣習から抜け出しておらず、まだ、世論を操作できると思っているようだ。

 一方で、ネットに対して警戒心もあるようだ。

「残念」「苦々しい」東南アジア・豪も批判 靖国参拝(朝日新聞)

 これは、朝日新聞のサイト asahi.com の記事へのリンクだが、紙面には次のような続きがあるという。

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【香港=林望】台湾外交部(外務省)の呂慶竜リュイチンロンスポークスマンは15日、「あらゆる意見の表明が尊重されるべきだ」と靖国参拝に一定の理解を示した。
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 台湾の小泉擁護コメントをネット上に掲載しないのは、どんな意図があってのことなのだろう?このコメントをネットで引用されたくないということなら、なんて狭量なことだろう。しかも、ネット上で意図的な削除がばれているし。

 また、自分たちにとって都合の悪い情報を流すインターネットを、悪者に仕立て上げよう(ネガティブ・キャンペーン)という意図が見え隠れする記事もある。

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『異論排除』強まる一方(東京新聞)

(前略)
皇太子妃雅子さまの呼称表記をめぐり、右翼団体に襲われ、全治四十日のけがを負った経験がある雑誌「噂(うわさ)の真相」元編集長・岡留安則氏も、右翼に最近「一旗揚げたい」という意識が出始めているとみる。その背景について「言葉で丁寧に語ることをせず、独断を他人に押しつける政治があるのでは」と指摘する。

■ネットに顕著 差別的な言説

 そうした傾向は、インターネット上の世界に一層顕著だと岡留氏は指摘する。そこではハト派的な意見に対し、タカ派的な書き込みを殺到させ駆逐したり、相手を差別的な言説で攻撃する暴力的な「異論排除」のパターンがあふれている。
(後略)
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 自民党の加藤元幹事長の実家が放火されたという事件に関する記事なのだが、突然ネットでの言論の話になる。どこまでが岡留氏の発言内容なのかがあやふやである点を差し引いても、あたかもネット上では一方的な発言しかないような書き方だ。こうやって、少しずつネットのネガティブな部分を強調し、ネットの信頼性を貶めようとしているのだろうか?

 ネット上には様々な意見がある。だが、特に2ちゃんねるのような掲示板では、一方の意見が他方を「異論排除」することはできない。確かに、一方的な流れになることはあるが、それでも別の意見を書き込むことはできるのだからいろんな意見が出るのは当然だ。玉石混合。受け取る側が、いくつもの情報を比較検討して、取捨選択していく必要があるのもネットの情報。

 ネットとて無謬ではない。間違った情報が、それこそ都市伝説としてコピペ(Copy and Past)され続けることも少なくない。だが、マスコミと異なるのは、強烈な自浄作用があることだ。ある情報に対し意見を出し合うだけでなく、検証を試みる人間が必ずいる。そして間違った情報は、すくなからず修正されたり消えて行ったりする。つまり、ネットを使って情報操作するのは、非常に困難なのだ。

 参考までに、マスコミの言う「世論」とネット上の「世論」の違いを指摘している記事のリンクも張っておこう。

首相の靖国参拝 ネットで圧倒的「支持」(J-CASTニュース)

 最後に、マスコミの信用度が落ちていることを示す事例を紹介する。

小泉総理インタビュー

 首相官邸サイトに掲載された、靖国神社参拝後の小泉首相のインタビュー全文だ。こうした「ぶら下がり」取材は、マスコミで使われることは多いが、官邸がインターネットを使って発信するのは珍しい。マスコミの都合の良い部分だけピックアップされることに対する予防線と思われるが、小泉首相がそれだけマスコミを信じていない、ということの表れとも受け取れる。

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