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2006/08/04

メモリー

メモリー(上)

待ちに待ったマイルズ・ヴォルコシガン・シリーズ最新作。

低温蘇生による後遺症の発作によって、救出した人質を殺しかけてしまったマイルズは、その事実を隠して機密保安庁に報告したため解任されてしまう。失意に沈むマイルズ。そんな折、機密保安庁長官イリアンの脳内記憶チップが機能不全を起こしてしまう。自然劣化によるものか、それとも妨害工作か。真相を究明すべく、マイルズが活躍する。

 帯にもあるように、シリーズのターニング・ポイントとなる作品。これまでに登場した懐かしい人々とも再会できる。もちろん、これまでのシリーズを読んでいなくても、十分に楽しめる。
 マイルズは、決してスーパーヒーローじゃない。胎児だった時に受けた毒の影響で子供のような体型というコンプレックスを持ち、傷つきやすい心を持っている。今回も、機密保安庁をクビになった時、ひどく落ち込んでしまう。それは、これまでのシリーズで描かれた『自分探し』の総決算なのかもしれない。バラヤーの国守であるヴォルコシガン卿としての自分とテンダリィ自由傭兵艦隊司令官であるネイスミス提督としての自分、どちらが本当の自分なのか、と悩むマイルズ。これから前に進んでいくためには、きっちりとした結論が必要だったのだろう。
 そして後半は、イリアンの突然の不調から端を発したサスペンスとなる。マイルズは悩みながらも優れた洞察力で謎を解いていく。前半の落ち込みがある分、後半の活躍が光る。最後まで、グイグイと読ませる一冊だ。

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