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メディア・バイアス

メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学
メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学

 アメリカでは、メディア(マスコミ)が自分たちに都合のいい情報だけを取捨選択し報道することを『メディア・バイアス』と呼んでいるそうだ。この本では、日本におけるメディア・バイアスの実態を、いくつかの実例を挙げて紹介している。

 例えば、『白インゲンダイエット』『納豆ダイエット』『寒天ダイエット』などが、自分たちの都合のいい論文をつなぎ合わせて作り上げられたいい加減なものであることを詳しく解説している。『マイナスイオン』と『水からの伝言』といったエセ科学にも言及しているが、筆者の得意分野が食品関係であるため、食品関連の情報がメインとなっている。とはいえ、どのようにして正しい情報が捻じ曲げられて報道されるか、あるいは間違った情報・科学的根拠のない情報がどのように報道されるかといった実例を知ることができるのはためになる。本の終わりに掲載されているメディア・バイアスに惑わされないための十ヶ条は一読の価値あり。

 また、この本の中で合成添加物=健康に悪いというイメージが作り上げられていることに異論を唱えているのだが、同じような話を某化粧品メーカーの方に伺った事がある。化粧品は直接人体に触れるものであり、経口あるいは粘膜から体内に吸収される可能性もあるため、その安全性の確認はおろそかにできないのだが、いわゆる天然由来の成分の方が、合成された化学物質よりも安全性の確認が大変なのだという。つまり、必ずしも天然がいいとは限らないという話を聞いて、その時はびっくりした覚えがある。

 遺伝子組み換え食品にも言及している。これを読むと、遺伝子組み換え食品に危険性があるという話が、まったく科学的でなく非常に胡散臭い話であることがわかる。そこに使われる「騙しのテクニック」のいくつかが紹介されているのだが、これは一般的な騙しのテクニックとして普遍化できそうだ。本の中からピックアップし改変を加えてみよう。

  1. 権威付け
     専門機関の研究員、大学の教授などのように専門家の意見だと、人々は安易に受け入れてしまう。例えその人が専門外の人物であっても。
  2. 恐怖を煽る
     因果関係のあるなしに関わらず、ガンや死に至る病名、アレルギーなどといった病名を持ち出して人々の恐怖を煽る。
  3. 子孫への影響を語る
     自分ではなく、子供や孫に影響があると脅す。農薬が残留して子供に影響がでるとか、大人は平気でも子供には影響があるというように。
  4. 悪役を作る
     あなたは悪くない、悪いのはxxだ、というように、悪役・敵役を作ることで思考を停止させてしまう。
  5. 唯一をうたう
     世界で、あるいは日本で唯一のものであると言って、箔をつけるとともに他の選択肢を無くしてしまう。
  6. 情報を隠す
     自分たちに都合の悪い情報はすべて隠してしまう。良い面ばかりを見せて相手を安心させる。

 まさにカルトや悪徳商法が使う手法だ。これにマスコミが乗ってしまったら、間違った情報が広く認知されてしまうのも無理はない。科学的で正しい情報を広く伝えるためには、既存のマスコミは役に立たない。インターネットなど別の方法を活用するしかないのだろう。

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