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銀色の愛ふたたび

 貧しい少女ローレンは、“ジェーンの本”と出会う。それはある少女と銀色の人型ロボット、シルヴァーとの恋を綴った本だった。そしてローレンが17歳になったとき、再びシルヴァーたち人間そっくりのロボットが作られた。ローレンはそれまでの生活を捨て、ロボットが発表される街へと向かう。

 前作『銀色の恋人』の12年後、新たな少女とロボットとの恋を描く24年ぶりの続篇。

 タニス・リーといえば、私の中ではファンタジーな人であり、『銀色の恋人』はロボットというSF的なガジェットを扱いながらも、一種ファンタジーあるいはロマンス小説といったイメージだ。

 本作『銀色の愛ふたたび』も、同じようなラブ・ロマンス、と思って読むとショックを受ける人がいるかもしれない。前作では少し触れるだけだった世界観をかなり詳細に書き込んでいるだけでなく、中盤で前作のイメージを崩壊させるような展開を見せたり、あっと驚くどんでん返しを盛り込むなど、かなりSF色を強めた作品になっている。前作の展開が、無垢な少女の真っ直ぐな想いを表していたかのようにストレートであったのに比べると、世の中の底辺で生活し酸いも甘いも知っているヒロインといい、ダークな面を見せつけるロボット達といい、二転三転するサスペンスドラマと言ってもいいだろう。そこには作者による作品の破壊と再構築の過程が感じられる。

 前作は、とても甘ったるく(悪く言えばぬるく)感じられたのだが、個人的にはこちらの方が面白く感じた。たぶん、前作が好きでたまらない読者にとっては、本作はちょっとヤバイかも知れないなんて(余計なお世話かもしれないが)心配してしまうほどだ。

 ただ、最後のエピソードは蛇足というか、前作のファンへのプレゼントのような感じはあるな。解説でひかわ玲子氏も書いているが、「物に神が宿る」なんて感覚が当たり前の日本人にとっては、当たり前過ぎてねぇ。

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