« 今日のニャンコ | トップページ | 権利ばかりを主張しても受け入れられると思うのか? »

死せる魔女がいく

死せる魔女がゆく 上 [魔女探偵レイチェル] 死せる魔女がゆく 下 [魔女探偵レイチェル] (ハヤカワ文庫 FT ハ 5-2)

 異界保安局の捜査員で魔法使いのレイチェル・モーガンは、度重なる上司からの嫌がらせに耐えかねて異界保安局を辞職する。ところが凄腕の捜査員でエリート吸血鬼のアイヴィ・タムウッドも同時に退職、一緒に探偵をすることになったからさぁ大変。パートナーは断血の誓いを立てたといえど吸血鬼、その上異界保安局の元上司がレイチェルに賞金を懸けたものだから、フェアリーやキツネ男、オオカミ男、魔法使いなどの賞金稼ぎからも狙われる羽目に。こうなったら謎の大富豪トレントの悪事を暴いて捕まえるしかない! 人間と異界の生命とが共存する世界の女探偵レイチェルの活躍を描くシリーズ第一作。

 いずこかの国が作り出したウィルスが、トマトを媒介にして全世界に散らばったために人類の多くが死んでしまった世界。それまで伝説の中だけに生きていた生物たちが実在しなんとか共存している。完全な異世界ではなくて、現代社会に魔法があったらという設定は「ドレスデン・ファイル」と似ているが、「ドレスデン・ファイル」が一般人には信じられていないのに対し、このシリーズでは街中に魔法具の店があったりフェアリーやピクシーが人間と一緒に働いていたりする。また、女探偵が主人公で相棒が吸血鬼といえば「ブラッド・プライス」と類似しているが、こちらの吸血鬼は女性で、吸血鬼のほかにもピクシーと(物語後半から)人間の青年が仲間になる。

 裏表紙のあらすじを読むと「また吸血鬼ものか」とちょっと躊躇したのだが、読み始めてみるとこれが「おもしろい」に変わって一気に読んでしまった。一言で言えば主人公の女魔法使いレイチェルがいい。生き生きしている。キャラが立っている。パートナーが吸血鬼というだけで、吸血鬼ものではなく現代魔法ものだ。

 残念なことに最初からシリーズ化が計画されていたのだろうか、いくつかの謎はそのまま残されている。が、まだまだ楽しませてもらえると思えばそれもまたよし、か。

« 今日のニャンコ | トップページ | 権利ばかりを主張しても受け入れられると思うのか? »

SF」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/38977/17041359

この記事へのトラックバック一覧です: 死せる魔女がいく:

« 今日のニャンコ | トップページ | 権利ばかりを主張しても受け入れられると思うのか? »