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厨の研究(4)

3.著作権なんてしらないよ(続)

 直リンとよく似た盗用方法に「フレーム内表示による盗用」があります。他人のサイトを別フレームあるいはインラインフレームに表示することで、“あたかも”それが自分のコンテンツであるかのように見せかける手段です。

フレーム内表示 フレーム内表示

 直リンやコピーによる盗用では、画像などコンテンツの一部だけを持っていくのですが、フレーム内表示ではコンテンツを丸ごと持っていくのですからより悪質といってもいいでしょう。

盗用か否か?

 フレーム内表示に関しては、以前それが盗用に当たるかどうかという議論がなされました。その際、盗用ではないとする側が「Googleのキャッシュ画面(現在では画像検索画面も)でフレーム内表示が使われているではないか」という理由を挙げました。しかしながら、Google(に限らず検索エンジン)では、「フレーム内は検索結果であり、Googleのコンテンツではない」という認識があるはずです。ちなみにGoogleのキャッシュ画面では“Google はこのページの所有者と何ら提携関係はなく、そのコンテンツについても責任を負いかねます。”という注意書きが表示されます。
 個人的な意見としては、他人のサイトにリンクする場合は(訪問者にうざいと思われても)別ウィンドウに表示した方がいいと考えています。その方が直観的に「別のサイトである」ことが分かると思うからです。
 どうしてもフレーム画面(含、インラインフレーム)で表示させたい場合には、他人のサイト、他人のコンテンツであることを明示し、表示中のサイトのコンテンツではないと訪問者が分かるようにすべきでしょう。

イラストの盗用を防ぐには

 イラストの盗用を防ぐ最も簡単で効果的な方法は、画像にサイトやブログのURLを書き込んでおく方法です。URLは半透明にして画像の中心に重ねるようにしておきましょう。画面の端に配置すると、その部分だけ切り取られて使われる可能性があります。念のために、画像は最終版だけでなく製作過程のもの、あるいはレイヤー統合前の状態のデータも保存しておくと証明として利用できます。

 もし方法を知っているなら、画像のスライス表示もよい方法です。スライス表示とは、ひとつの画像をいくつかの画像に切り分け、テーブルやCSSによって組み合わせてレイアウトすることでひとつの画像に見せる手法です。

画像のスライス表示スライス表示の例

 また、対応したツールを持っているなら、画像に電子透かしを入れておくとよいでしょう。画像自身では著作者を判別できなくても、電子透かしを確認することで第三者が本当の著作者を知ることができます。

デジすたマーカーキャプチャ画像IBM ホームページビルダーに付属のツール「デジすたマーカー」には、電子透かしを埋め込む機能があります。

文章の盗用を防ぐには

 イラストや写真などの画像に比べると、文章・テキストの盗用を防ぐことは非常に困難です。インターネットに公開してしまうと、コピー&ペーストで簡単にコピーできてしまうからです。したがって、事前の方策として取る手段はそれほど多くありません。

 例えば、コピーされたくない文章を掲載したページをJavaScriptで右クリック禁止にしておく(コンテキストメニューが表示されないので「コピー」が使えない)という方法があります。ただし、右クリック以外の方法でコピーすることも可能なので、ある程度の知識を持った相手には通用しません。

 ある程度まとまった文章であれば、PDFファイルにして表示あるいは配布したり、Flashを利用する方法もあります。どちらも対応したソフトウェアやノウハウが必要です。
 テキストの場合、こうした対策をしておき、盗用された場合にどうするか?を考えるしかないでしょう。

Chu_fig07 Adobe Acrobatのセキュリティ設定画面

盗用と引用

 著作権で勘違いされやすいのが、「引用」です。著作権で保護された著作物であっても、「引用」であれば許されます。(著作権法 第三十二条)
 どこからどこまでが引用なのかという疑問に対しては、昭和55年に最高裁の判例が示されており、この中で示された引用の要件が現在引用のルールとして知られています。

・引用する必然性があること
 例えば批評を加える場合などに引用することは必然性があるといえますが、何の脈絡もなく必然性もない場合には引用と認められない可能性が高いでしょう。

・引用文と地の文が明確に区別できること
 一段インデントで下げるとか枠で囲むなど引用であることをはっきりさせなければなりません。小説のキャラクターのセリフで他から引っ張ってきた文を喋らせる、などという行為は引用ではありません。

・引用する文章等が「従」、それについて述べる部分が「主」であること
 単純に言えば、引用した文章等よりも、解説する文章等が多くなければ引用とは言えません。他人の文章をコピーし、最後に一行だけ自分のコメントを書く、といった行為は厳密には引用とは呼べません。

・引用元を明記すること
 どこから引用した文章であるかを明記する必要があります。ルールではありませんが、インターネット上のコンテンツであれば、そのページあるいはサイトトップにリンクを張るのは最低限のマナーと言っていいでしょう。

 他人の創作物を引用する場合には、最低でもこうしたルールを守るべきです。ただし実際に引用か否かが微妙な場合、最終的な判断は裁判でということになります。それほど微妙な問題であり、自分で「これは引用だからいいの」などと勝手に判断してしまうのは、とても危険だということを知っておいてください。

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