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太陽の中の太陽

 幼い頃両親を亡くしたヘイデン・グリフィンは、復讐を胸に誓い仇であるファニング提督を狙い、強国スリップストリームに潜入していた。同じ頃、スリップストリームに敵対する国の陰謀が発覚、ヘイデンも巻き込まれてしまう。やがてヘイデンは、彼の住む世界《ヴァーガ》創世の秘密に触れることになる。
 地球サイズの気球世界《ヴァーガ》で繰り広げられる、青年の冒険物語。

 帯には「リングワールド」が引き合いに出されていたが、私はラリィ・ニーブンの「インテグラル・ツリー」を思い起こさせた。まぁ、“作られた世界”と言う点では前者に近いのかもしれないが。《ヴァーガ》は、大きな気球の中に空気を詰めて、その中に人工の太陽を浮かべた世界。人々はその太陽の周囲に木やアステロイドで出来た居住地を浮かべ生活しているが、重力は回転による遠心力。富める者は重力と熱を自由に使えるが、貧しい者は厳しい生活を強いられることになる。人々が酸素を消費する中で、本当に閉じた系になるのか?という疑問は起きるが、舞台設定としては面白い。
 《ヴァーガ》の外の世界についても少し触れられるが、なぜ《ヴァーガ》が作られたのかについては語られない。ある人物の行動によってある程度は想像できるが。

 読んでいる途中、なぜだかハヤカワじゃなく創元推理文庫っぽいお話だなぁとも感じた。理由はわからないが。

 ちゃんとお話は完結しているのだが、余韻を与えずばっさり終わってしまった感がある。たっぷりと後日談もありそうな雰囲気だけ残してのエンディングは、やや隔靴掻痒とも思える。

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