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プロバビリティ・スペース

 天才物理学者、トム・カペロが誘拐された。偶然現場を目撃したカペロの娘アマンダは、権力者が背後にいる可能性を考え、<世界(ワールド)>への旅で同行した超感覚者マーベットを頼り月へ向かう。しかし、その頃マーベットは退役したカウフマンとともに火星にいた。再び<世界>へ向かうために。はたして人工物を失った<世界>はどのような変化を迎えているのか。そしてカペロの行方は?アマンダの運命は?

 確率を操作する人工物を巡る三部作の完結編。

 『プロバビリティ・ムーン』『プロバビリティ・サン』『プロバビリティ・スペース』はシリーズだけれど、それぞれの巻で違う小説の趣がある。世界観を構築した第一巻、人工物の秘密を解明した第二巻、そして第三巻は、少女の成長物語。個人的には第二巻が好みだな。なにせ三巻では、登場人物の多くが精神的に弱い部分を見せつける。特に、二巻では心揺れながらもチームの責任者としてきっちり仕事をこなしていたカウフマン大佐が、三巻では罪悪感から<世界>に戻って行ったら、あっけなく拒絶されて周りに流されてしまうヘタレぶり。普通の人間をデフォルメしたと言われれば、リアリティがあるとも言えるけど、同じ男としてはもうちょっとがんばって欲しいところ。
 そもそも<世界>に戻る必要性があるのか?と思っていたのだが、物語終盤に差し掛かると、なるほどという理由付けが分かる。結局作者の都合でヘタレっぷりを晒していたのかカウフマンと。

 最後のオチは好き嫌いが分かれるかも。(すべての伏線を回収した感じでもないし)シリーズをきっちり締めくくるという意味では正しいのかも知れないが、私はそのちゃぶ台返しぶりに「それでいいのか?」と思ってしまったクチだ。

 『プロバビリティ・サン』に比べると、物足りなさを感じてしまう。

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