« ワイヤレス・ジャパン2009 | トップページ | 逃げちゃダメだw »

艦長の子

もっともホットな独身貴族――高名な政治家を母に、戦闘輸送艦艦長を父に持つライアン・アザーコンは、アースハブ内の注目の的だった。地球にいてもオーストロに戻ってきても毎日のようにメディアに追いかけられる彼は、ドラッグに逃げる自堕落な生活を送っていた。しかし、あるパーティで狙撃されたことから事態は急変する。密かに父の戦闘輸送管《マケドニア》に連れてこられた彼は、そこである若者に出会う。彼こそ、数奇な運命の果てに海賊ファルコンを殺したジョスだった。
「戦いの子」に続く戦争SF第二弾。

主人公は典型的なお坊ちゃん体質の若者。自分がどれだけ守られているのかという自覚なしに、自分の置かれた状況に不平不満ばかりを述べている。だから、前半は主人公に対して(いろいろなトラウマを抱えているのだけれど)「甘えてんじゃねーっ!」とイライラさせられる。前作「戦いの子」の主人公に出会って以降は、さらに二人の育ってきた環境の違いがクローズアップされる印象を受ける。

とはいえ、「若者の成長物語」という骨子は前作と変わらず、ライアンもやがて成長することになるのだが、やや性急な感は否めない。次巻の主人公であるユーリとの出会いが変化を加速したと見ることもできるが。

最後の章までは、ちょっと辛いかも知れない。というのも、前作のような激しい戦闘シーンはほとんど出てこないからだ。ジョスの波瀾万丈な物語に比べると(どうしても比較してしまう)、勢いに乗ってストーリーが進むという印象ではなく、静かに進行しつつ前作ではあまり触れられなかったアースハブの政治状況や生活というものが丹念に描かれているという印象。派手さはないが、それを中弛みととるか世界観の補強ととるかで評価は分かれるだろうな。

« ワイヤレス・ジャパン2009 | トップページ | 逃げちゃダメだw »

SF」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/38977/45759930

この記事へのトラックバック一覧です: 艦長の子:

« ワイヤレス・ジャパン2009 | トップページ | 逃げちゃダメだw »