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【映画】告白

映画の日なので、ららぽーと横浜の東宝シネマズで『告白』を観る。平日でも映画の日、観客動員数1位だけあって、6割くらいの席が埋まっていた。

3月25日、1年B組の終業式。生徒達が配られた牛乳を飲んでいる中、担任の森口が淡々と語りかける。『愛美はこのクラスの生徒に殺されたんです』――。愛娘を自分の受け持つ生徒に殺された女教師が仕掛けた罠は、どんな結末を迎えるのか。

最初に書いてしまうと、救いのない映画だし、スリルとかサスペンスとかアクションなんかもない。なんだろう、映画を観ているうちに、いろいろと削り取られて観たくない醜い部分を突きつけられていくような感じ。スッキリ感とは無縁だ。その点からすると、予告編はすごく良くできている。予告編だけみると、ミスリードされてしまう。これは「犯人捜し」ではなくて「如何にして犯人になったか」という話であり、一人娘を失った女の周到な復讐劇だ。
以下、ネタバレ含むので注意。

松たか子演じる担任教師、森口のモノローグから映画は始まる。タイトルである「告白」というのは、「過去に起こした何かについて」語るということであり、それは決してプラスのイメージではなく、ほとんどの場合少なからず贖罪の意味も含んでいると思う。しかし、森口の場合には、単に連絡事項を通達しているというような、感情のない「告白」で、それが非常に怖い。松たか子は冒頭と、クライマックス近くになってから(後は回想シーン)しか登場しないのだが、冒頭が非常にインパクトがあるため、その怖さが後々まで続く。クライマックス近くになって登場する森口は、時折衝動的に感情を爆発させるのだけれど、慟哭するシーンはとてもリアルなのに笑うシーンは作り物、ウソという印象を受けた。あぁ、壊れているんだな、と感じさせるキャラクターであり、それを演じる松たか子も怖い。
逆に、木村佳乃演じる直樹の母は、最初にいびつな印象を受けて、次第に行動は常軌を逸していくのだけれど、普通の人間だなぁと感じてしまった。

「告白」が過去に起きた何かについて語ることだから、ストーリー上どうしても回想シーンがある。特にこの映画は、複数の人物が告白をリレーしていく形を取っているため、タイムラインが混乱しがち。特に後半は、今自分が観ているシーンは、過去なのか現在なのかがわかりにくくなっている。監督はそれを逆手に取って、嘘を混ぜることで観客を騙す。わざと混乱させてあっと驚かせる。それは『パコと魔法の絵本』のようなビジュアル的な驚かせ方とは違う驚き。

ただ、自分の経験から、中盤のいじめシーンにはまいった。トラウマスイッチ入りそうになってしまった。あそこまではひどくないけど、どんな年代でもどんな学校でもあるんだよ、ああいうことが。最初は軽い冗談のつもりでも段々とエスカレートして、ってことが。普通は成長するに従って、それが許されないことであると理解していくのだけれど、一部には子供のまま成長してしまう人間もいて、だから、子供の教育ってのは難しいなと思わずにはいられない。話が逸れた。
中盤はさておき、個人的にはエンディングがとても気に入っている。というのも、子供の自己中心的な考えで起こした行動を、大人が「ガキの浅知恵だよ」と切って捨てる。スッキリ感はないと書いたが、そうなって当然なんだよ、本来は中学生が大人を出し抜くなんて、無理がある訳で、結局は、子供達すべてが森口の手のひらで踊っていたわけだ。(もしかしたら、あの爆発も嘘で、観客も踊らされていたのかも)

ストーリーも演出も、とても良くできた映画。だけど、見終わった後にはズーンと重い何かが肩の上に乗っかってくる。そしていろいろと考えさせられる映画だ。

ちなみに、帰宅途中で原作単行本を購入してしまった。なるべく映像が記憶に残っているうちに読みたいと思う。

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ひろ2号と、映画も告白したいです。

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