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未来医師

自動車事故で車外に放り出された医師パーソンズは、そこが自分のいた世界ではないことに気付く。人種の混交が進み美男美女ばかりの未来。だが、彼らの平均年齢は15歳!そして、医療行為は重大な犯罪とされている世界だった!パーソンズはある組織により、この世界へとタイムトラベルさせられたのだ。なんとか生き抜こうとするパーソンズは、やがて抗争に巻き込まれ重大な役割を担うことになる。

フィリップ・K・ディックの未訳長編ということで手に取ったのだが、出版が1960年(私の生まれる前だ!)なので、古くささは否めない。古さの中にもキラリと光るセンスが、なんてお為ごかしはいいたくない。はっきり言って、凡作。ディック作品と思って読むと、肩すかしを食う。長編というか、最近の傾向からすれば中編の本作は、むしろもっと短くして余計な枝葉を落としてしまった方が読みやすい作品になったんじゃないかと、勝手に思う。

だが一方で、私が他のディック作品に感じていた(何をしても空しいというような)空虚感や後味の悪さはなくて、爽快感とまでは行かないがきれいに終わった、という読後感だ。ただ、過去(というか、現実の時間)に奥さんがいるのに、なんのためらいもなく(むしろ積極的に)未来の女性と関係を持ってしまう主人公の倫理観(あるいは倫理観のなさ)は、個人的にはディックらしいなぁと思った。

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