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天空のリング

<共同体>が突如として消え去った後、人類は小群(ポッド)と呼ばれる集団によって復興しつつあった。ポッドは2~5人からなる集団で、フェロモンで感情を伝え手首のパッドによって会話し記憶を共有する。宇宙船パイロットを目指すアポロは、二人の少年、三人の少女で構成されるポッドのひとりだった。訓練も最終段階になった時、雪山の訓練でアポロは災害に巻き込まれてしまうのだが──徐々に明らかになる陰謀、そして消え去った<共同体>の謎とは。

 複数の人間が集まってひとつの人格を作る。匂いや接触によってローカルネットワークを形成するという、その設定だけでもSF心を刺激する。最初はほとんど説明もなしに、一人称で綴られるため、読者はおいてけぼりになるけれど、その世界観を理解してからが面白い。物語の一章ずつを、アポロである5人のうちひとりの視点から描いているので、それが各キャラクターに深みを与えると同時に、少しずつ事実が明らかになっていく構成は面白い。

 タイトルの「天空のリング」は、軌道エレベーターに支えられた軌道リングのこと。原題は「SINGULARITY RING」。いわゆる文明が臨界点を超えてしまうシンギュラリティという概念を扱った作品だけど、ストーリーはシンギュラリティに対するアンチテーゼも含んでいるようにも思える。あっさりしすぎて物足りなさを感じるかもしれないが。

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