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シリンダー世界111

人類より遙か以前から存在する人工知能集合体<AIソース>によって作られた、巨大なシリンダー世界“111”。そこには、<AIソース>が所有権を主張する知性体ウデワタリを初めとする、奇妙な生態系が作られていた。人類の所属するホモ・サップ連合は外交団を“111”に送り込み、ウデワタリの調査を行っていたが、ある日、調査団のひとりが殺されるという事件が起きる。事態を重く見た連合は、捜査官アンドレア・コートを送り込む。だが、アンドレアが到着する直前、第二の殺人事件が発生してしまった!奇妙な世界で起きる事件の謎をアンドレアは解くことができるのか?

 作品の舞台は、オニール型のコロニー世界。とはいっても、直径1000km、長さ1万kmという巨大なもの。その上、通常遠心力によって重力を生み出し地面となるシリンダー内壁は有毒な海であり、その上に有毒な雲が渦巻いている。人々は、シリンダーの中心部にある回転軸に絡みついたアッパーグロウスという蔦植物にぶら下がりながら生活しなければならない。住居はアッパーグロウスからぶら下げられたハンモックだ。
 最初の事件は、このハンモックのケーブルが切断され、中にいた外交団の一人が落下してしまうというものだったが、ハンモックのケーブルは111に持ち込みを許された技術では切断できない。つまり、111を作った<AIソース>が犯人である疑いが強い。だが、<AIソース>が犯人であった場合、それは戦争をも引き起こしかねない微妙な外交問題となってしまう。なんとか<AIソース>以外の犯人を見つけろという難題を押しつけられたのが、主人公であるアンドレア・コート。彼女は、かつてある事件に巻き込まれた過去を持っていた。

 事件を追うアンドレアの行動を縦糸に、彼女の過去が横糸として絡み合いながら、物語は進んでいく。そして、最後に行き着く真実。奇妙な舞台設定はとても魅力的だが、前半はやや単調かな。だが、3分の2を過ぎてからクライマックスまでは、加速度を増していく。最後まで一気に読んでしまった。

 犯人捜しのミステリー部分は、ある古典的なトラップが使われている。SF的な舞台設定でミスリードされた感じ。それも含めてうまくできているな、という印象。ただ、SFとしては、もう少し舞台設定を活かしたひねりがあってもよかったかなとも思う。リングワールドのように旅しちゃうと、せっかくのミステリ部分が台無しになりかねないという判断なんだろうなぁ。

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