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2014/04/29

ブラインドサイト/ピーター・ワッツ

突如飛来し地球を包囲した65536個の彗星は、異星から送られた探査機だった。やがて到来する彼らを調査すべく、選ばれたのは遺伝子技術で復活した吸血鬼、脳手術により4つの人格を持った言語学者、感覚器官を機械化した生物学者、平和主義の軍人、そして脳の半分を取り去った<統合者>。彼ら第三次調査隊は、オールトの雲で異星からの来訪者に遭遇する。それは今までに人類が創造もしなかった存在だった。
 タイトルは、「見えていないのに見える」状態「盲視」を意味する言葉。作中後半に頻繁に登場するようになる言葉だが、読み終わった後だといろいろな意味に取れる。また、読後にプロローグを再読すると、また違った印象を受ける。
 本書は、ファーストコンタクトものであり、かつ、哲学的な物語だ。<統合者>シリ・キートンが語り部となって紡ぎ編み込まれていく物語は、単なるファーストコンタクトではなく、「意識」と「知性」というものを追求というテーマに深く切り込んでいく。アウタースペースを舞台にしながら、主軸はインナースペースにある。なんだか万能戦艦(戦艦じゃないけど)みたいな宇宙船の描写は、都合が良すぎる気もしないでもないが、まぁ、ほぼ太陽系の端っこまで行くのだからこのくらいの装備がなければいけないか。面白いのは、なぜ吸血鬼が(豚や牛ではなく)人間の血を欲するのか、なぜ十字架を恐れるのかということを科学的なアプローチで解明しているところだ。こじつけ、ともいうw
 ハードSFだし、哲学的な話も出てくるし、ちょっと読者を選ぶかな?少なくとも万人受けするエンターテインメントではないけれど、クライマックスは一気に読めるし、読後もいろいろと考えさせられる。

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