« JAXA航空シンポジウム | トップページ | 祝!MRJ初飛行成功! »

2015/10/02

中国の極超音速機?!

中国が「極超音速機」の試験飛行に成功したという報道があった。
【広州=比嘉清太】香港紙・明報は20日、中国が音速をはるかに上回る「極超音速航空機」の試験飛行に成功したと、中国メディアの報道を引用して伝えた。
 極超音速は音速の5倍以上を指すため、同紙は、「北京から米国・シアトルまで1時間余りで飛行できる」との見方を伝えた。
 試験飛行の実施場所や最高速度など詳細は不明だが、「離陸から数時間後、任務が完了した」という。米メディアによると、極超音速機を巡っては、米軍も2023年までの完成を目指して開発中。中国は、米国のミサイル防空網を無力化する狙いから、追い上げを目指しているとされる。
2015年09月20日 19時22分(読売新聞)
 うーん。どちらの記事でも詳細は不明。中国はすでにマッハ10で飛行する極超音速ミサイル「WU-14」の実験に成功していると言われているので、航空機ではなく飛翔体(ミサイル)の可能性もある。そもそも北京-シアトル(約8700km)が1時間あまりって、加速減速の時間を無視した話だよね。全航路をマッハ5で飛行したとすれば、1時間25分くらいかな。
 極超音速とは、マッハ5以上の速度を指す。ちなみに、音速以下は亜音速、音速前後は遷音速、音速以上は超音速と呼ばれる。一般的な旅客・貨物用ジェット機は、音速は超えない。遷音速~超音速は主に軍事用の戦闘機や爆撃機、偵察機の領域。かつては超音速旅客機「コンコルド」があったが、現在は飛行していない。
 各国で極超音速機の研究が行われているのは本当で、日本でもJAXAが極超音速旅客機の研究を行っている。
 極超音速航空機を実現させるにあたっては、いくつかの課題がある。もっとも大きい技術的課題はエンジンだろう。マッハ5以上の速度で飛行するためには、現在主流となっているターボファンジェットエンジンでは無理で、そのために「スクラムジェット」が研究されている。かつてはJAXAでもスペースプレーン用としてスクラムジェットを研究していたが、現在は液体水素を用いた極超音速ターボジェットエンジンの研究開発を進めており、極超音速風洞においてマッハ4での動作に成功している。数年後には6メートル程度の実験機を使った試験が行われる予定だ。
 もうひとつの課題は温度。極超音速で飛行する際には、断熱圧縮によって温度が上昇し、インテイク付近で約1000℃にもなる。この熱をどうするか?が問題になる。チタンの融点が1660℃くらいなので、機体をチタン合金にするにしても冷却は必要だろう。
 こうした課題を中国が独自技術でクリアしたなら、それはすごいことだと思うけれど、実験の様子やそこに至るまでの経過が何も公表されていない現時点では、ちょっと眉唾物の情報ではないだろうか。

|

« JAXA航空シンポジウム | トップページ | 祝!MRJ初飛行成功! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/38977/62394725

この記事へのトラックバック一覧です: 中国の極超音速機?!:

« JAXA航空シンポジウム | トップページ | 祝!MRJ初飛行成功! »